スタッフ日記
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私、役立たず
2007年7月19日   文 : 砂田麻美
写真 : 飯塚美穂
クランクイン。
京浜急行車内の撮影は人数制限がある為、私は次の撮影現場に先回りして待機。
葉山の住宅地に位置する緑に囲まれた階段である。
横山家の次男・良多を演じる阿部寛さん、その妻・ゆかりを演じる夏川結衣さん
ゆかりの連れ子・あつしを演じる田中祥平君の3人で撮影がスタートする。
監督は落ち着いた様子で、撮影の山崎さんと相談しながら
「ようい、スタート」のかけ声。

高低差のある階段を、登ったり下ったりしながらの撮影なので、
私が管理するモニターもカメラの移動とともに動かさざるを得ない。
階段下で行われた一カット目、無事終了。
助監督の「はい、次階段上から下向け!」のかけ声とともにスタッフが大移動をするのだが、
いざモニターを積んだ機材を持ち上げようとしてみてもびくともしない。
簡単に言うと、私が自力で移動出来ない。
もっと簡単に言うと、私役立たず。
仕方なく周りのスタッフに助けを求める。
彼らが駆け寄って来てくれ事なきを得たのだが、
自分の担当機材を持てないって・・・一体どういう事よ。

カットを重ねる度、代わる代わるスタッフが私に代わって運んでくれるものの、
皆さん汗だく。目の前の娘が役立たずなばっかりに・・・。
「是枝ワールドを堪能」などと腑抜けた事を言っている場合ではなかった。

この先大丈夫なのか・・・自分。


 

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