この映画の登場人物達は、よく食べる。
たった2日間の間に、食べるは食べるは「どんだけ?!」と突っ込みたくなる程食べる。
久々に孫を含めて里帰りした一家の話だから、ごちそうが並ぶのも無理ないのだが。
ところで食べる者あれば作る者が居る訳で、記念すべき東宝スタジオでの撮影初日は、
樹木希林さん演じる母親のとし子と、
YOUさん演じる娘のちなみの料理シーンからスタートした。
今日二人が作っていたのは、みょうがと枝豆の混ぜご飯。
青々しい枝豆をゆで、そこにさらさらと塩をふり、枝豆がむき出され、
心地よい音を立てて刻まれたばかりのみょうがと混ぜ合わされていく。
当然本物を使っているから、少し離れたモニター前にまで
みょうがのいい匂いが漂ってくる。
食べたいですね・・・と、互いに声をかけあうスタッフ達。
私も本気で食べたいっス。
「カット!」という監督の声がかかると、すぐさまYOUさんの声がした。
「すみませんーサランラップありますか?!」
まさかテイクアウト!?
YOUさん、さすがです。
それにしても、台所に並ぶ母と娘のシーンは、どんな映画でも美しいなと思う。
そこで交わされる会話がありふれたものであればあるほど、
作られて行く料理が美味しそうに見えるから不思議だ。 |