是枝裕和からのメッセージ
  ワンマンショー
2006年5月7日

池袋・新文芸坐のイベントは、久しぶりにARATA君とゆっくり話せて楽しかった。来ていただいたみなさん、ありがとうございます。
しかし、「ワンマンショー」というネーミングはすごいね。森進一とか五木ひろしとかが、すぐ頭に浮かんじゃうんですよね。何かもっと歌とか踊りとか期待されてるんじゃないかと、思ってしまう。
僕は人前で"話す"ということが得意なわけではもちろんなく、好きなわけでも正直言うと無いんです。いや、ホントに。幼稚園の頃から、学芸会といえば裏方専門だったですし。じゃあ、なんで出て来てわざわざ話すのか、と。
立命館での木村祐一さんとの対談の時にも話しましたが、作った人間が上映が終わった後に出て来て何か話すというのは、蛇足なんですよねぇ、どうしゃべっても。ただ、なかなか今観た映画について人と話すとか、人の意見に耳を傾けるということが少なくなっているでしょ。だから、まぁ、そんな時間があってもいいのか、と。ネットの書き込みと違ってお互いの顔が見えてるやりとりって大切だなと思うし。で、個人的なことを言うと、そういう時間から意外に自分の考えがまとまったり、次回作の構想が固まったりするもんで・・・。
今回の「花よりもなほ」はシネコンを使った全国チェーン展開の映画なので、なかなか今までのように劇場で上映後にティーチインというわけにはいきそうもないんですが・・・。ま、出来れば又どこかでやりたいと思っています。

是枝裕和


 

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