是枝裕和からのメッセージ
  『縁』
2011年10月28日

ツイッターを始めてからホームページの更新がおろそかになっていて申し訳ありません。
是枝です。

この度は「演出助手」の求人に、沢山のご応募ありがとうございました。
直接、お手紙や作品のDVDを頂いていた方を含めると今回150名近い方にご応募いただいたことになります。
書類選考を経て、直接面接でお会いしたのが34名。
その中で最終的に2名の方に新しく僕たちの「チーム」に加わってもらうことになりました。
今回は「残念な」結果となってしまった方々も、又きっとご縁があれば、いつか制作の現場をご一緒することもあるかと思います。
その時、又「是枝組にどうしても参加したい」と思ってもらえるようなそんなものつくりを続けていく覚悟です。

映像を業(なりわい)にしたいと思っている若い人たちにお会いし、話を聞いて思ったことは、
映像系の大学や学部はここ数年で増えたのに、受け入れ先(就職口)が極端に少ないということでした。
僕が大学を卒業した25年前も、もちろんその「ルート」が明確にあったわけではありませんでしたが、今よりはTVの番組制作会社も元気がありましたし、コマーシャル業界も同様に活気がありました。

端っこではありますが25年間映像業界で飯(めし)を食べさせてもらってきた人間としては、やる気のある若い作り手が映像で飯が食べられて、将来のビジョンが持てるくらいの環境を何とか(今よりは)整備していくような、可能性の芽を摘まないようなお手伝いが出来ればと、本当に微力ながら先輩面をして真剣に考えています。今回の募集もそんな発想で行った取り組みのひとつでした。

新しくチームに加わったふたりが、今後どんなアイデアや、人柄や、体力で戦力になってくれるのか楽しみです。そしていつの日か監督としてその「才能」を開花する姿を、期待とともにみなさんも待っていて下さい(あえてふたりにプレッシャーをかけておく)。
ご応募、本当にありがとうございました。
それでは又。
是枝裕和


 

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