6月18日に『空気人形』の完成披露を無事終えました。
公開まではまだ3ヶ月ありますが、一息つく間もなくポスターを作ったり、取材を受けたり、海外の映画祭への参加の準備をしたり…。『空気人形』をみなさんのもとに届けるべく僕もスタッフも慌しく毎日を送っています。そろそろ「次は何を?」と聞かれる機会も出て来る頃ですが、「まだ、何も」と答えています。珍しいことに、まだ「次」は決まっていません。
1本の映画やテレビの番組制作が終って「次」が決まっていないというのは本当に10年ぶりくらいの状況です。
もちろん「ひま」なわけではなくて、「次」になりそうな「種」に水をやったり、「畑」を耕して種を蒔いたりしているわけですが、いつ「何」を題材に次をスタートするかはまだ白紙。意図的に次のスタートまで時間をかけてみようと思っています。
去年から今年にかけて、正直大切な人が身の周りで何人も亡くなったこともあり…映画作りの体制を作り直さなくてはと思ったことと…このあたりでもう一度自分にとってテレビや映画というものをみつめ直してみる時期なのかな、と。そのためにもまずは『空気人形』を自分なりに咀嚼して、把握しなければいけません。
そんなことを考えてはいるものの、「次」が決まってなくて「ホっ」としているかというと逆で何かソワソワして落ち着かない。こういう時、趣味があったりするといいんだろうけど…。
いつまでこのソワソワに耐えられるかで次のスタートが早くなるかも知れません。何だろうねぇ…この貧乏性は。
是枝裕和