今年も残り４日となりました。
休養宣言をしたにもかかわらず１年間「仕事三昧」の日々を送ってしまいました。とても充実した時間でした。作品作りを共有したスタッフ、キャストのみなさま、番組・作品を観ていただいたみなさま、ありがとうございました。
今年を振り返ってみると…

「悪いのはみんな萩本欽一である」（フジテレビ）
日本のテレビ史の中で70年代にテレビならではの表現を追求した作り手が３人いると思っていて…ドラマの久世光彦。ドキュメンタリーの伊丹十三。そしてバラエティの萩本欽一。この３人についてはいつかきちんとその取り組みを検証したいと思っていました。
この番組はかねてから親交のあったフジテレビの小川晋一プロデューサーから最近のバラエティ番組について感じていることを好きな切り口で番組にして下さいと言われて制作したものです。欽ちゃんへのインタビューは大変勉強になりました。

「後の日」（テレビドラマ、NHK）
室生犀星の小説「童子」「後の日の童子」等を原作にしつつ、怪談というジャンルにチャレンジしてみました。とはいえ、描いたのは一組の夫婦と死児の再会と、再びの別れという、ごくごく日常的な中にある非日常です。
主演の加瀬亮さん、中村ゆりさんと子役の澁谷武尊くん、その他のキャストに恵まれて納得の出来になりました。

「奇跡」（映画、2011年初夏公開）
漫才コンビ・まえだまえだの航基くん、旺志郎くん兄弟を主人公に、こどもが主人公の映画を久しぶりに撮りました。福岡・鹿児島・熊本の３県にまたがるロケは大変でしたが、何よりオーディションで選んだ７人のこどもたちが魅力的で自分でも完成が楽しみです。
樹木希林さん、オダギリジョーさん、阿部寛さん、原田芳雄さん、夏川結衣さんら再会組と、今回はじめて出演いただいた大塚寧々さん、長澤まさみさんたち。彼ら彼女らの支えがあってこその「こどもの演技」でした。そして何より橋爪功さんの「動き」を極力抑えた演技には撮影現場で何度もため息が出ました。公開までもうしばらくお待ち下さい。

AKB48新曲プロモーションビデオ
今、年末年始の休みを返上して取り組んでいるのが、AKB48の新曲のプロモーションビデオです。
昨日撮影を終えて、今日から編集に入ります。音楽編集という慣れない作業ではありますが、一本の映画を撮るような覚悟で彼女たちを向き合いました。まだどんな作品になるか（何分になるか？）自分でもわかりませんが…頑張ってます。

ではみなさん…よいお年を。

是枝裕和

来年は休もうかなぁ…今度こそ。